事業計画書 書き方 見本|テンプレート・エクセル等の無料ダウンロード

(2018/1/21更新)

当ページでは、事業計画書をこれから書く予定の方や書かなければいけない方に向け、事業計画書の書き方や必要な項目を整理しました。
事業計画書は自分のために計画内容を整理するために作成するだけではなく、銀行から求められることや従業員の説明用に作られることも多くあります。
上場企業では社外の投資家に向けて公開されることで、投資判断の基準となっています。

これらの事業計画書は、自分の頭の中を整理するためにも重要ですが、誰かに説明してアクションを起こしてもらうことも重要な目的となります。
アクションを起こしてもらうためには、何を伝えたいかをしっかりと考え、重要な論点の欠落が無いように整理して事業計画書を作ることが求められます。
当ページをご覧いただき、事業計画書に必要な項目を理解し、しっかりとした計画を書き方を知ったうえで事業計画を書き始めてください。

また、当ページでは事業計画書の見本やサンプルとしてPDF版のファイルと、実際に事業計画書を書く際に利用していただけるテンプレートとしてエクセル版のファイルを掲載しています。サンプルを探されている方は下記のボタンからダウンロードしてください。

1.事業計画書とは

事業計画書とは、これから行う事業の内容や展開をわかりやすく整理した資料です。自社(自分)の事業をより良く進めるために作成します。
事業計画書を作成することで自社(自分)が行う事柄や目標が明確になり、事業目標の達成度を高めることができます。
頭で考えるだけではなく、しっかりと論点をかき出して整理することにより、抜け漏れやうまく説明できていない部分が明らかになります。

<事業計画書を書くときのポイント>
・頭で考えるだけではなく、書きだすこと。
・現状の問題や原因を分析しながら書きだすこと。
・問題を解決できるように課題を整理する。
・社内的な視点だけではなく、社外やお客様の視点を入れて考える。
・論点が飛躍していないかチェックする。
・抜けもれなく書きだすことができているかチェックする。
・数字に置き換えることができているかチェックする。
・売上だけではなく、利益とキャッシュフローまでを整理する。
・中間目標やスケジュール感があるかチェックする。

これらポイントを押さえて書くことで、事業計画が明確になる。
明確になることで、達成度合いが高まる。

事業計画は第三者への説明資料にも
事業計画書は自分以外の第三者である銀行や従業員などに向けて説明するときにも利用します。
このような場面では事業のポイントや効果について理解してもらうことが目的となります。
しっかりと理解したうえで融資の実行や業務の遂行など、具体的なアクションを起こしてもらうことになります。

もし、具体的なアクションを起こしてもらえないのであれば、その事業計画書は納得性が低いことやリスクが多い、読みにくいなど何らかの問題点があると考えられます。
納得性を上げるためには理解してもらいたい部分について工夫が必要となります。

例えば金融機関に向けた資料の場合は、

・過去の数字実績
ある程度公開して説明します。得意先別や事業区分別の実績なども表にしておくと良いです。数字の推移や整合性、具体的な取引先名なども信用を得る資料となります。

・専門用語の説明
言葉で説明するから良いのではありません。
金融機関内でも審査する担当者は複数に亘ることがほとんどです。
専門用語を使う場合は、説明を入れておきましょう。

・判断材料を入れる
資金計画、キャッシュフローなど重要な判断材料はあらかじめ盛り込む。

・少し時間がたってから読んでもわかる
金融機関は複数の取引先と同時並行してやり取りしています。
説明したときはわかっていたとしても、行内審査用の資料を作成するときには忘れてしまっているかもしれません。
論点はわかりやすく書くようにしましょう。

社内説明用にはプレゼンや手元資料を用意
社員向けに説明する場面では、ビジュアルプレゼンテーションなどを行って、しっかりと伝えていきましょう。
その際には、ポイント列記した手元資料などを配布することが必要です。
せっかく話しても伝える努力をおろそかにすると効果は半減です。

当ページに掲載しているサンプルとして事業計画書①には、要約のページを含めています。これは事業計画の概要を簡潔に表現して伝えることが必要なことから含めたページです。

また、社員向けの説明と金融機関向けでは、起こしてもらいたいアクションが違います。
このため、事業計画書に盛り込むべき項目も異なることに注意が必要です。

<社員向けの事業計画書の目的>
“具体的な行動目標”、”KPI(業績管理指標)”、”現状の課題と解決策”などを伝えることで、具体的な行動を促進すること。

<金融機関向けの事業計画書の目的>
事業計画に対する信用や信頼を獲得し、融資の実行や継続を促すこと。

なお、事業計画書と同じような言葉として、経営計画書があります。
経営計画書といった場合はどちらかと言うと社内向けのイメージがありますが、それぞれの計画書について明確な定義はありません。
このため事業計画書と経営計画書のどちらの言葉を使っても、事業や経営の展開や方針や数値目標などを具体的にする書面と捉えると良いです。

第三者に説明して理解してもらう

事業計画書は第三者に説明するための書類でもあります。
第三者に納得していただき具体的なアクションを起こしてもらうことが重要です。

2.事業計画書が必要な場面

前述したように金融機関や従業員へ説明する際にも事業計画書は必要となりますが、他にも必要となる場面があります。
整理すると次の7つになります。

(1)今後の事業展開を考えるとき
(2)銀行や信金などの金融機関から借り入れをするとき
(3)ファンドや投資家から資金調達するとき
(4)国や自治体へ支援や補助金などを申し込むとき
(5)従業員に対して方針を伝えるとき
(6)社外の関係者に対して事業展開を説明するとき
(7)進捗管理や進捗報告をするとき

それぞれの場面において事業計画書の書き方が少しずつ異なります。

(1)今後の事業展開を考えるとき
自分(自社)の事業について今後の事業展開を考えるときには、将来像やコンセプト、達成したい目標やアクションプランを明確にして、事業計画書に書いていきます。

特に将来像やコンセプトをしっかりと考えて、言葉として事業計画書に書くことはその後の事業展開にも大きく影響します。

会社の将来像は、数年先を見通して、どのようなポジションに会社を成長させるのか、そのためにあるべき姿は何かを記述したものです。

例えば、進出している事業におけるシェアを業界第3位まで上げるといったことや、地方市場から首都圏に進出すると表現で将来像が書かれます。

コンセプトとは、その事業や商品やサービスが、誰に対して「何を」「どのように」提供することかを言葉で表現したものです。

例えば、アスクルであれば次のようなコンセプトが想定されます。
「明日までに」「様々な文房具などを届ける」

これらの将来像やコンセプトを具体的に実現するためには、どのような目標が考えられるか、アクションプランはどうなるのかなどを考えていきます。

将来像やコンセプトを伝えるだけで、その事業の方向性が伝わり、共感を得ることや関心を引くことができなければ意味がありません。

特に新規事業や新商品のコンセプトが考えられておらず、伝わらないのであれば事業を進めて、失敗してしまう可能性が高くなるので注意が必要です。

また、目標やアクションプランは、実行できるかをしっかりと考えて、より効果的になるように取捨選択して絞り込み事業計画書に盛り込みます。
実行できないような項目や目標を書き記しても事業計画書はただの夢物語になってしまいます。

夢を描くのではなくどのようにすると実行できるのかといった点まで考えることが必要となります。
実行度合いを高めるためには、3か月先などの短期的な視点で「当面はどこまで進めるのか」「マイルストーン(中間到達点)はどの程度になるか」「担当者は誰にするか」といったことも考えて記載します。

一方で、短期的な視点だけでは細かすぎることや中長期的な目的や戦略やビジョンが見えにくくなるため、少し長い目で見て何がしたいのかという点について考えていきます。

このように短期的な行動計画と中長期的な戦略やビジョンの両方について整理できていると、しっかりした事業展開が考えられた事業計画書になっていると言えます。

事業のビジョンと道筋を明確に

自分のための事業計画では、中長期的な目的とそこに至るまでの道筋として目標やアクションプランなどを明確にします。

(2)銀行や信金などの金融機関から借り入れをするとき
銀行や信金の関心事は、融資実行の判断をするために
「数値根拠があるか」
「返済に無理はないか」
「過去の実績はどうか」等の項目が重要になります。

過大投資として判断されないように、過去の実績と比べて無理のない事業計画書になっていることが必要です。
このため過去の実績についても改めて整理して事業計画に記載していきます。

例えば、大きく分けてA事業とB事業の2分野について事業を行っている企業があったとします。
このような場合であっても決算書における売上高には事業区分別に記載されていない場合もあります。
金融機関としては過去の実績は重要ですので、売上高の根拠として事業区分別に記載していきます。
また事業区分別の損益計算やキャッシュフローなどもあるとよりわかりやすくなります。
このような事業区分別の実績数値から次に各事業をどのように進めるのかを積み上げたうえで、会社の事業計画としてはこのように進みますといったように論理的に繋がりがある説明が事業計画書には求められます。

また、このような事業区分別の状況については、文章としてどのような事業でありどのように進捗したのかをしっかりと書き込みます。
自社の事業について金融機関はすべてを理解してくれていると考えている方もいますが、金融機関の担当者が一人で判断するわけではありませんので、それぞれの人が認識を共有できるように文章で説明があると事業の展開が理解されやすくなります。
ただし、創業時の計画書の場合には過去の実績がありませんので注意が必要です。
創業時としては過去の実績として創業者の経歴や事業コンセプトが重要となります。
また、過去の実績がないため一般の金融機関では創業時に融資を受けることは難しいこともあります。
このため日本政策公庫などの公的な機関から創業者向けの貸し付けを受けることがお勧めです。
日本政策公庫は100%政府出資の政策金融機関です。
一般の金融機関が行う金融を補完して、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能を担っています。
このため、一般の金融機関では難しい場合もある創業者向けの貸し付けを政策として行っています。
日本政策公庫の創業計画書では創業の動機や創業者の略的等を記載する様式になっています。

<日本政策公庫の創業計画書について>
日本政策公庫では創業者向けに事業計画書の書式テンプレートをエクセルやPDFファイルで公開しています。
2017年9月17日現在で公開されているファイルは下記のボタンからダウンロードできます。

なお、創業計画書の所定の記載枠に、記載内容がおさまらない場合は、別紙(様式適宜)をご作成くださいとされています。
公開されている書式テンプレートは最低限の情報となっています。
事業計画書は第三者に納得していただき具体的なアクションを起こしていただくことが目的です。
そのために必要な情報を盛り込むことが必要となります。

※創業計画書のダウンロードは下記のボタンをクリックして下さい、

(3)ファンドや投資家から資金調達するとき
事業展開に必要な資金の調達には、金融機関から借入金として調達する場合とファンドや投資家から資金を直接調達する場合があります。直接調達する場合は借入金ではなく出資(投資)として検討いただくことが多くなります。出資者は株主となり出資した事業が大きく成長した場合は株式を売却することや配当としてリターンを得ることができます。一方で、成長することができずに出資した資金を使い果たしてしまうと回収することはできなくなります。このように出資を判断する場合に必要となる事業計画書は事業の成長性や実現可能性やコンセプトやアクションプランなど財務数値以外についてもしっかりと説明することが必要となります。投資判断に必要な事業計画書の分量は多くなるため、要約(サマリー)を設けて事業計画書のポイントも伝えるように書き方にも工夫が求められます。

(4)国や自治体へ支援や補助金などを申し込むとき
国や自治体が行っている中小企業支援策に申し込む場合にも事業計画書が必要となります。補助施策についてはそれぞれ目的が定められています。事業計画書にはこの目的に沿っており政策に適合していることを盛り込むことが必要となります。例えば、中小企業等経営強化法(平成17年法律第30号)においては、「中小企業の創意ある成長発展が経済の活性化に果たす役割の重要性にかんがみ、中小企業の経営革新の支援を行うことにより、中小企業の新たな事業活動の促進を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」とされています。この法律に基づいた事業計画書は経営革新計画と呼ばれ、事業計画書の内容には“新たな事業活動”を盛り込むことが必要となります。具体的には北海道が公開している経営革新計画の承認申請書の内容を確認してください。北海道の承認申請書では一太郎版・ワード版・PDF版が公開されておりダウンロードできます。エクセル版が無いのが残念ではありますが、当ページでもPDF版をダウンロードできます。

※経営革新計画の承認申請書のダウンロードは下記のボタンをクリックして下さい、

(5)従業員に対して方針を伝えるとき
従業員に対して年度初めや中期事業計画の発表などの際に事業計画書が利用されます。事業計画書として配布されない場合もありますが、配布する方が望ましいと言えます。従業員に対して事業計画に基づいた行動を起こしてもらうためには、事業計画をただ話すだけでは伝わりにくいため、事業計画書として配布して理解を促します。この事業計画書の書き方としては、あまり細かいことを書いてしまうと情報量が多すぎるため返って伝わりにくくなる恐れがあります。このためわかりやすくポイントを押さえて、かつ、達成して欲しいKPI(重要業績管理指標)などを具体的に伝えることが効果的です。なお、KPIについての説明は下記のページを参照してください。

「KPIを使って経営を管理する」

(6)社外の関係者に対して事業展開を説明するとき
事業計画書は金融機関・出資者(株主)・従業員以外にも説明することが必要です。例えば、製品やサービスを納入している取引先企業や帝国データバンクや東京商工リサーチなどの調査機関などから事業計画書の説明を求められることがあります。このような場合において、事業計画として公開したい情報や非公開にしたい情報を取捨選択して記載することが必要となります。

(7)進捗管理や進捗報告をするとき
事業計画書は書いておしまいではなく、具体的に推進して事業計画書の内容を実現することが必要となります。金融機関では融資判断をする際にも事業計画書を見ていますが、1年後などに計画書と実績を比べることを重要視しているところもあります。自社においても事業計画書に対してどのように進捗しているのかについて、毎月や四半期や半期といったタイミングで振り返ることが求められます。このような際にも事業計画書を取り出して計画数値と実績数値を対比させることや計画した施策の実施状況を確かめることで振り返りを行います。

3.事業計画書で伝えたい項目・ポイント

事業計画書が求められる場面について説明しましたが、改めて事業計画書で伝えたい項目やポイントとして構成を整理すると次のような項目が挙げられます。

  • この事業はどのような事業なのか。
  • 市場の状況と競合他社との差別化はどのように行うのか。
  • 今までの実績はどうなっているのか。
  • 今後はどのように展開するのか。
  • どれくらい儲かるのか。
  • 事業を遂行する上でどのようなリスクがあるか。
  • (自分・自社向けの場合は)今までの取組の振り返りと分析はどうか。
  • (自分・自社向けの場合は)KPIやアクションプランはどうするか。
  • (自分・自社向けの場合は)各部門や品質・顧客満足度などの目標はどうするか。
  • (新規事業・創業の場合は)どれくらいの期間で軌道に乗るのか。
  • (新規事業・創業の場合は)どれくらいお金がかかるのか。
  • (新規事業・創業の場合は)自社・自分が行う意義や背景は。
  • (借入・投資の場合は)資金の回収や返済はどうなるのか。

これらの項目を文章や図と数値でわかりやすく説明することが事業計画書の役割となります。自分・自社向け、新規事業・創業、借入・投資の場合などで記載する項目が異なります。

4.事業計画書は誰が作るべきか

最初に記載したように事業計画書は、自社・自分の事業の展開を整理することで事業をより良く進めることや、第三者に説明して具体的なアクションを促すことが目的となります。自分向けか第三者向けの違いはありますが、自分が理解していないと行動にも繋がらず説明にも力が入りません。このため、事業計画書は事業を行う方が自ら作ることをお勧めしています。財務数値の組み立て方については会計知識が必要となるため専門家に委ねても良い部分ではありますが、組み立てた財務数値である損益計算書やキャッシュフロー計算書は事業を行う方が理解する必要があります。最終的に財務責任を負うのは数字を組み立てた専門家ではなく事業を行う方であるため、財務数値を理解することは重要なポイントです。

5.事業計画書の書き方・チェックポイント

(1)図・表・数値を用いてわかりやすく書く
事業計画書は自分にとっても第三者にとってもわかりやすく振り返りがしやすい資料となっている必要があります。そのためにはできるだけ図や表を盛り込むことや目標値などを明確にすることが必要です。特に図を用いることは重要であり、事業コンセプトなどをシンプルに図解することができれば効果的です。逆に言うと図解すると複雑になってしまう場合は注意が必要となります。シンプルに表現できない場合は、色々な要素を組み合わせないと実現できない複雑な事業となっていることが懸念されます。このような場合は事業コンセプトを考え直すことを検討してください。また、文章として長々と書くのではなく、ポイントを箇条書きとして列記することで読みやすくする工夫をしていきます。

(2)夢物語にならないように書く
事業計画書には実現可能性をしっかりと考えて楽観的な夢物語に組み立てていきます。例えば、実施する事業の市場ニーズは高く、多くの消費者や企業から引き合いがありそうだと考えられたとしても、事業を広めていくためにはマーケティング活動を適切に行っていくことが必要となることや、限られた時間や人員で取引を拡大していくことが求められます。このため市場ニーズが多くても業績にすぐ反映することは少ないものです。また昨今では人員採用が難しいことから「人がいないため売り上げを拡大できない・・・。」と嘆いている経営者もいます。事業計画書に書く際には“石橋を叩いて渡る”ような慎重さで書いていきましょう。以前に見た事業計画書では大手企業との取引の確約があり、数億の売上が獲得できるとしている事業計画書がありました。この事業は資金調達にも成功し設備投資を実行してスタートされましたが、当初から大手企業との取引に傾聴し過ぎていることが懸念されていました。実際には大手企業との取引は確かに開始されましたが、事業計画書に記載した時期より遅れたことや取引規模が想定していた半分程度となってしまいました。このため事業計画書の見直しが必要となったことに加えて、残り半分の売上を獲得するために想定していなかった営業活動(マーケティング活動)が発生しました。このような事態に陥ることは稀なことかもしれませんが、ある程度の慎重さをもって事業計画書を書き進めることは重要なポイントです。

(3)いつまでに誰が何をやるべきかを書く
社内向けの事業計画書の場合は具体的にどの項目を誰が実施するのか、それはいつまでに実施するのかといった項目を書いていきます。また、社外向けであれば資金調達額はいくらなのか、各金融機関の配分はどうなるのかといった項目を盛り込みます。ポイントとしては事業計画書を見ると「誰が何をするのか」といった質問に答えられていることが必要です。なお、自分向けの事業計画書であれば具体的なアクションプランとして、期限・数値・優先順位を定めておくと振り返りもしやすくなります。ただし、このような項目を細かく列挙することは好ましくありません。稀に「アクションプランが20項目もあります。これを実施するためのスケジュール表がこちらです。」といった事業計画書を見ることがあります。細かいことは悪いことではありませんが、この中でも重要な実施事項は何かという視点で絞り込むことや、テーマ別にまとめて書くなど工夫が求められます。

6.事業計画書の例・見本

事業計画書の例として、社内説明用の事業計画書のサンプルと経営改善計画書のサンプルを掲載します。社内説明用の事業計画書は、経営者から今後の事業計画として各種方針などを伝達する際に利用している資料の例となります。エクセルを利用して作成している資料(事業計画書①としてPDFで公開)とパワーポイントを利用して作成している資料(事業計画書②としてPDFで公開)があります。
エクセル版については、書式テンプレートをダウンロードすることもできますので、「7. 事業計画書の書式・テンプレート・エクセル・ダウンロード・フォーマット」からダウンロードしてください。なお、パワーポイントを利用している社内説明資料は金融機関などへ提出する資料ではないため、細かな数値は入っていません。

一方で、経営改善計画書は業績不振などから金融機関へ返済条件の変更などを行いながら経営改善を図る際に作成する事業計画書です。このため第三者である金融機関に事業を説明するページや各種財務数値・返済計画などが含まれています。掲載しているのは中小企業基盤整備機構の認定支援機関向け研修資料から抜粋した資料であり中小企業庁が公開している資料です。なお、原則版と簡易版があります。

各種サンプル例は下記よりダウンロードできます。

7. 事業計画書の書式・テンプレート・エクセル・ダウンロード・フォーマット

「6.事業計画書の例」で掲載したサンプル「事業計画書①」について、エクセルの書式をテンプレートとして公開します。当テンプレートは、次のシートで構成されており、表紙を含めて9ページとしています。

  • 表紙
  • 事業計画の要約
  • 1-1~2.事業分析等
  • 1-3~4.重点方針・KPI等
  • 2.マーケティング及び売上
  • 3.組織 4.設備投資
  • 5.部門別計画
  • 6.損益
  • 7.製造原価 8.CF

当事業計画書のテンプレートは、ある程度簡易的に作成を進められることをコンセプトとしています。このため、事業分析においてSWOT分析や競合分析などは省略しています。必要に応じてシートを追加して利用してください。
一方で盛り込んでいただきたい項目として、「重点方針」「重要業績管理指標(KPI)」「マーケティング計画」「組織計画」「設備投資計画」といった項目を含めています。それぞれ今後の事業を見通すために重要な項目であることや、進捗管理(モニタリング)を行う際に利用していくこととなります。これらの項目についてはできる限り記述していくことを意識して利用してください。

8. 事業計画書の作り方

前掲した事業計画書エクセルテンプレートに基づいて、それぞれのページの作り方・書き方を簡単に説明します。

表紙

特記事項は特にありませんが、作成する会計期間・第何期・代表者署名などを追記して利用してください。

要約

事業計画書全体の内容を要約するページです。計画書作成の最後に要約として整理します。このページを読むことで、全てのページに目を通さなくともポイントがわかるように記述します。各項目の記述内容は、それぞれのページの見出しと整合するように記述してください。

1-1.現在の事業分析
事業活動について過去の経緯や当社の強みや弱み、競合関係や外部環境の変化などについて分析して記述します。この分析結果に基づいて、次の将来像や重点方針が出されていると良いです。

1-2.当社の将来像
5年後のビジョンとして目指す将来像を記述します。当事業計画書を実行したときに何を目指すのかという事柄になります。1-1の分析結果を反映していることが求められます。

1-3.財務業績
財務業績として過去3年間の推移と今後の推移を計算します。後述する損益計算書と整合性が取れていることが必要です。

1-4.重点方針
事業計画を達成するために、必要な方針を「いつから」「いつまでに」「誰が行うか」を記述します。
また、事業計画書を作成した後に推進し進捗管理をする責任者を明確にします。責任者が明確でない場合は推進力が低下するため注意してください。

1-5.重要業績管理指標(KPI)
財務業績だけでは事業は管理できません。新規お客様開拓数など事業活動に直結する指標を設定し計画数値として記載します。

2-1.マーケティング計画
売上計画の前提としてどのようなマーケティングが行われてきており、今後はどのようなマーケティングを行うのかを記述します。例えば、ターゲットのニーズやマーティングチャネル、拠点・商品開発などの状況や計画について記述します。

2-2.2-3.売上計画
区分別やエリア別など事業にとって細かさで売上を計画します。当事業計画書は〇〇億円の売上を計画しますという書き方では不十分です。ある程度区分してどのような売上が獲得できるのかを計画します。

3.組織計画
組織計画としては、売上を達成するために必要な人員体制を確保するための計画を記述します。組織数値計画から全体の平均年齢や従業員数の推移などを分析し、今後の計画の基礎データとします。

4.設備投資計画
既存設備の補修や修繕、新規投資、IT投資の3区分に分けて設備投資を計画する資料となります。減価償却費を計画する基礎資料となります。

5.部門別計画
営業・製造・総務部門に分けて方針を記述できます。部門名などはそれぞれの会社の状況に合わせて変更して利用してください。

6.予測損益計算書
過去1年と今後5年間の損益計算書となります。科目数が足りない場合は、雑費などに集約して利用し1枚に収まるように記述するシートになっています。

なお、単年度の事業計画を作成する場合のエクセルテンプレートは次のページからダウンロードできます。
「経営計画・事業計画作成資料 単年度事業計画(エクセル)」

7.予測製造原価計算書
過去1年と今後5年間の製造原価計算書となります。科目数が足りない場合は、雑費などに集約して利用し1枚に収まるように記述するシートになっています。

8.キャッシュフロー計画
税引き後当期純利益から簡易的にキャッシュフローを記述する計画書としています。

当事業計画書は次のボタンからエクセルテンプレートをダウンロードすることができます。無料で利用いただけます。

9.業種別の事業計画書の書き方

(1)飲食業の場合

飲食業においては、次のような項目が事業計画書を書く時のポイントとなります。
① 店舗コンセプト
誰に向けて「何を」「どのように」提供するのか。
飲食業は競合も新規参入が多い業種であるため、店舗のコンセプトがしっかりとしており差別化されているかが重要となります。

② 客単価について
新規出店の場合はメニュー構成から想定される客単価、既存事業の場合は客単価の推移を記述します。

③ 客数と回転率について
店舗への入り込み客数の計画と、客数を客席数で割った回転率を計画します。

④ 出退店及び設備投資計画について
新規出店や赤字店舗の改廃などについて、設備投資額を含めた計画を作成します。飲食業に限りませんが、赤字店舗をしっかりと改善し黒字化することや、最終的には赤字を止められない場合は閉店することも必要となります。
赤字を改善せずに、新規出店で穴埋めするような計画になっていないかチェックすることが必要です。

⑤ 組織計画について
スーパーバイザー、店長・副店長・調理長などのカギとなる人材をどのように育成していくのか、待遇はどうしていくのかを検討します。
組織作りができずに拡大してしまい管理不能となる飲食業は多いものです。現状をしっかりと把握して、長期的な視点で計画しましょう。

⑥ マーケティング計画について
新規客の集客ができているのか、既存客が満足し定着しているかを分析し、それぞれに対してのアクションプランを明確にします。

(2)建設業の場合

建設業においては、次のような項目が事業計画書を書く時のポイントになります。

① 現状分析をしっかりと行う
現状分析が必要なのは建設業に限ったことではありませんが、特に建設業においては昨今の事業環境の変化が大きいため現状分析をしっかりと行ったうえで進めることが重要となります。

例えば、人手不足の影響による現場代理人不足、職人や作業員の高齢化、公共工事の減少、オリンピック後の工事量確保、市街地中心部での空き家増加、Iotを活用したスマートハウスの登場など、様々な事柄が変化しています。

これらの中では自社に関係があることや、関係が無いことがあると思います。
何が関係して中期的な視点でどうなっていくのかを、経営に対してどのような影響があるのかを考えることが必要となります。

特に人口減少高齢化の影響は著しいため注意が必要です。
弊社がコンサルティングを行っている北海道でも人手不足による廃業や事業縮小の話を頻繁に聞くようになってきました。
また、廃業に至らないまでも平均年齢が60歳になっているという企業も少なくありません。

このような現状分析を行うときには、SWOT分析(経営環境分析)を行うことが効果的です。
SWOT分析についてはこちらのページで記述していますのでご確認ください。

SWOT分析について

② 組織計画について
前述の現状分析からは、組織計画についての課題が挙げられることが想定されます。建設業においては、全体で見るよりも職種別に平均年齢を把握し、どの職種で人員不足が発生しそうなのかを明確にしたうえで組織計画を取り組みます。

計画を立てたとしても簡単には人員確保することはできません。どのように採用するのかをしっかりと考えて、新卒採用の方法、中途採用の方法を組み立てていきましょう。後継者が不足している建設業者もいることからM&Aを含めた人員確保も視野に入るはずです。

また、組織計画を担当する責任者がいない、ノウハウが不足していることもあります。
このような場合は、徐々にノウハウを積んでいけるように計画していくことになります。

③ マーケティング計画について
建設業におけるマーケティング計画は、その会社でできる工事の種類や工事の量、格付け、専門性、人脈などにより変わってきます。

これを逆に言うと、工事の種類を増やす、工事の量を増やす(=現場代理人の確保)、格付けを上げる、専門工事ができるようになる、人脈を確保する といったことがマーケティングに直結していきます。

今の延長ではなく、どのように進めて行くのか、そのためにはどうするのかを計画していきます。

④ 予測損益計画について
建設業の事業計画書において、工事別や工事区分別の損益を見えるようにしたうえで作成することが必要となります。

それぞれの工事や工事区分において、どの程度の利益が確保できているのかといったことが基礎資料となり、会社全体の損益計画が作られます。

これらの工事別の損益は、現場代理人の人件費を除外した粗利益の段階で把握することが一般的です。

(3)食品製造業の場合

① 新商品開発と売上シェア
食品製造業は新たな商品を開発しながら、売上を拡大していくことが重要事項となります。
この取り組みの結果、全売上に対して、新商品売上高はどの程度の売り上げシェアを占めるのかがポイントとなります。
または、新商品売上高でどの程度の売上高を確保するかがポイントなります。

いずれにしても売上高を確保するためには、新商品を発売し浸透させる取り組みが重要となります。
この業務プロセスにおいて、自社の場合はどこが弱いのかをしっかりと把握し課題解決していくことを事業計画書に盛り込みます。

② 設備投資金額
完全に人の手作業で行っている食品製造業もありますが、人手不足の影響は年々強まっていきますので自動化を進めることは喫緊の課題です。

また、新しい設備だけではなく、既存設備をメンテナンスするために、どの程度の費用が掛かるのかを把握していきます。
これらは保全計画とも言われ、定期的に交換が必要となる部品なども事前に計画に盛り込みます。

なお、HACCPなどに取り組むと最低年1回はメンテナンスをする必要が出てくることも多くあります。

③ 製品別・製品組別に原価計算を行う
食品製造業の事業計画書では製品別に売上を計画することが一般的です。
この場合に、製品別の原価がわかっていないと売上高から原価に落とし込むことができません。

しかし、食品製造業で実際原価計算ができている企業は多くありません。
このような場合は、代表的な商品について想定される原価を算出して事業計画書に落とし込み、今年度の課題として実際原価計算ができる体制を整えていきます。

④ キャッシュフロー計画
設備が先行してしまっていないかをキャッシュフロー計算書にてチェックし計画していきます。
食品製造業では、取引先ルートの開拓なども必要となるため、すぐに業績を上げるのは難しいこともあります。
このため長期的な視点でしっかりとキャッシュフローを把握して事業計画書を作っていきます。

(4)運送業の場合

① 路線別や車両別などの粗利益計画
運送業の事業計画作成では、通常は事業別などで行われる損益分析を路線や車両別や荷主別に粗利益を算出することが重要となります。そのうえで、それぞれの運送が粗利益を確保できているのかを見極めます。
最近になりインターネット通販などの運送において、残業が過剰となり、その残業代が未払いになっていたなどのことから運送料金の見直しが多くなされています。
しかし、このような取り組みは日常的に行われるべきであり、それぞれの路線・車両・荷主において粗利益が確保できているかを管理できる体制にしていくことが求められます。

<情報システムの整備について>
運送業に合わせて車両や送り状の管理、請求書の発行を行うために専門の情報システムを整備されていることが前提となります。
また、単に請求書を発行するだけではなく、緻密な粗利益管理ができるように、情報システムに登録していく内容を整理していくことが必要です。

② 車両年齢と設備の維持コスト
製造業にとって製造設備が重要な経営資源であるように、運送業の場合はトラックやダンプが重要な設備です。これらの設備は車両の年齢やドライバーの扱い方で修繕費が変化していきます。
このようなことから、車両別に維持コストを算出し、車両年齢を管理したうえで計画的に更新していくことが必要です。
しかし、実際に車両を更新していく年数と税務上の耐用年数に相当の差があるため、管理が煩雑になっています。

③ キャッシュフロー計画
前述したように、車両の耐用年数と実際の更新期間に差があるため、運送業においては、利益とキャッシュフローの動きが大きく違います。
このため事業計画書を作成する場合は必ずキャッシュフロー計画を作成することが必要となります。
特に車両の償却方法を定率法としている場合は、購入直後に減価償却できる金額が大きくなるので注意が必要です。

※業種別の事業計画書の書き方については、順次追加していく予定です。